2007年に発売されました、ミルガウスのグリーンサファイアモデルRef.116400GVを買取させていただきましたのでご紹介します
目次
ミルガウス
機械式時計は磁気を帯びると精度に支障をきたすため、ロレックスは1956年に耐磁性時計のファーストモデルであるRef.6541を発売しました
科学者や医師など、普段から磁気に触れる機会の多いプロフェッショナル向けに製造されましたが、限定されるスペックのため売れ行きは良くありませんでした
その後、特殊すぎる故に販売数が伸びなかった2代目も、1991年になると生産が終了されました
現在ではロレックスのアンティークは高騰を続けているため、オリジナルのファーストモデルは今では1,000万円を超える金額で取引される幻のモデルになっています
このような価格の高騰は、販売された数が少なく2代目のRef.1019にはイナズマ針が搭載されなかった事も影響しています
3代目ミルガウス
時が経ち2007年になると3代目ミルガウスRef.116400が登場
・黒文字盤
・白文字盤
・グリーンサファイヤガラスの黒文字盤
の、3種類が発売されました
なかでも発売と共にプレミア化したのが今回の買取品である116400GVになります
モデル名
ミルガウスの由来は何でしょう?
「ミル」はフランス語で1,000
「ガウス」は磁束密度の単位
これらを合わせたのが「ミルガウス」となり、1,000ガウスの時期にも耐えられるように設計されたことを示しています
GVはどうでしょう?
「Glace」はガラス
「Verte」は緑
フランス語を訳すと「緑のガラス」ということが分かります
磁気シールド
磁気からムーブメントを守るために、強磁性合金で造られた磁気シールドが装備されています
そのシールドにはB(ベクトル)の文字と、向かって右方向への矢印が見受けられるのですが、ロレックスは専用の工具を使わないと裏蓋が開けられないため見る機会は多くありません
これにより、一般的な機械式時計では50~100ガウスほどの磁気を帯びると狂ってしまいますが、磁気シールドによりムーブメントを守ってくれるのです
ムーブメント
キャリバー3131を搭載したミルガウスは、その精度も驚異的なものになります
スイス公認クロノメーター検査協会のクロノメーター認定はもちろん、この精度の2倍以上にあたる日差-2秒~+2秒をケーシング後に実現しています
さらに、2015年7月1日以降に購入したロレックスには、従来の2年保証から3年間延長され、5年もの長期保証がつけられたのも、ブルーパラクロム・ヒゲゼンマイの採用などでムーブメントの耐久性が向上している証拠ではないでしょうか
イージーリンク
ロレックス ミルガウスには、画期的で調整が容易な機能がついています
それがこの「イージーリンク」機構
バックルに完全に収納されている半コマ部分を開放することで、瞬時に5ミリのエクステンションが可能になっていて、特別な工具を使わずにその時の季節や状況によって腕廻りを調整することが可能になっています
これは数多くあるロレックスの特許技術の一つになります
GV
ロレックスのポートレートカラーである緑に彩られたサファイアガラスは、意外な事に特許が取られていません
その理由は、非常に高度な技術を要する為、製造を真似することができないと公式に記されています
そのような技術が使われているGVモデルですから、定価設定も踏まえ10万円ほど高く流通しています(現時点)
防水性能
二重密閉構造のスクリュートゥインロックリューズに、スクリューバックの裏蓋でムーブメントを守り、防水性能は100mを確保
それに使われる素材「904Lスチール」は耐蝕性に優れた非常に堅牢なものですが、大型のプレス機などが必要な為コストがかかりすぎるのがデメリットでもあります
しかし、世界に販売網を持つロレックスですから、コストが高くなっても収益の確保はきっちりなされているのでしょう
仕様
メーカー | ロレックス |
モデル | ミルガウス |
リファレンス | 116400GV |
文字盤 | ブラック |
ケースサイズ | 40ミリ |
素材 | ステンレススチール |
防水 | 100m |
ムーブメント | キャリバー 3131 |
振動数 | 28,800 |
パワーリザーブ | 48時間 |
機能 | 耐磁 |
参考価格 |
ミルガウスの復活
3代目ミルガウスの登場により、ようやくイナズマ針が身近になったと言えるでしょう
その後時が経つにつれ、GV以外のモデルは生産が終了することになりました
しかし、中古品は現在ではある程度流通していますので、価格は上昇していますが現実的な金額で購入することは可能になっています