ペプシベゼルが特徴の、GMTマスターRef.16700を買取させていただきましたのでご紹介いたします
目次
GMTマスター
ロレックスのモデルはプロフェッショナル向けに制作されることが多く、このGMTマスターは1955年にパンナム航空の依頼により開発されたもので、世界中を飛び回るパイロットが瞬時に二カ国の時刻を把握できるようになっています
また、パイロットの他にも海外旅行を楽しむ富裕層向けのコンビモデルや無垢モデルも登場していますので、幅広い層に人気があり、ベゼルカラーは「赤×青」「黒×黒」の2種類が用意されていました
そして、スポーツモデルでは唯一ジュビリーブレスを選択することができたモデルになります
1983年になると、短針が単独で操作できるためベゼルと併用することで、異なる3つの場所の時刻が分かるGMTマスター2が登場したため、1999年に生産を終えることになりました
GMTとは、「グリニッジ・ミーン・タイム」の頭文字を取ったもので世界標準時のことです
約10年
Ref.16700はGMTマスターの最終モデルであり、1990年ごろから約10年に渡り生産されたもので、この頃もGMTマスター2と混在して売られていました
GMTとしての機能で劣るために生産が終了したのですが、カレンダーのクイックチェンジが可能で時刻合わせをする上ではⅠの方が便利なため、GMT機能をあまり使われない方はこちらを選ばれるのもいいのではないでしょうか
ムーブメントはRef.16700のみに使われたキャリバー3175が搭載され、前ムーブメントからの変更は※テンプを支えるブリッジをシングルからダブルに変える事で、精度の向上や部品の隙間の調整が容易に行える仕様になっています
※テンプとは調速機の一つで、ヒゲゼンマイの伸縮する力を使用し回転する機械式時計の心臓部です
回転ベゼル
GMTマスターの回転ベゼルは、ダイバーズ仕様の逆回転防止ベゼルではなく両方向回転ベゼルが搭載されているため、瞬時に時差をセットできるように造られています
カラーは、Ⅰが「赤×黒」「黒×黒」、Ⅱが「赤×黒」と分けられていたため当時は瞬時にどちらのモデルか判断できましたが、その後三つのカラーが引き継がれたため表記などで確認する必要があります
プラスチックやステンレスが使われていたGMTマスター2ですが、2007年に登場した後継機Ref.116710LNにはセラミック素材でできたセラクロムベゼルが登場し、耐衝撃性や褪色性があがり改良されています
しかし、アンティーク感が欲しいと思われる方が増えていますので、褪色したベゼルの物も人気が高く、買取においても重要なポイントの一つになります
インデックス
Ref.16700のインデックスは、金属のフチでできたアワーマーカーにトリチウムの夜光塗料が塗られ発光するのですが、3rdモデルであるRef.16750の前期ダイヤルには、金属のフチがないインデックスが使われていて、よりアンティーク感が出たモデルになっています
また、数十年の時を経たインデックスや針は、光に当たることでヤケと呼ばれる変色が起こることも、味わい深い仕上がりになる要因の一つです
バックルの仕様
発売当初のRef.16700はシングルバックルが使われていましたが、やはり開きやすいためか1995年頃にこのようなダブルロック式に改良され、落下するリスクを軽減しています
これらのバックルやケース・ブレスレットは、1985年から全てのステンレスモデルに「904Lスチール」と呼ばれる堅牢な素材で造られているとロレックスが公式に発表しています
この904Lスチールは鍛造で製造されますが、プレス機などの設備が必要で多額のコストがかかるため採用するメーカーはほぼなく、ロレックスならではの採用といえるでしょう
堅牢性の他に研磨性にも優れる素材のため、磨き上げられることで再び美しい姿に戻ってくれるのも利点の一つになります
仕様
メーカー | ロレックス |
モデル | GMTマスター |
リファレンス | 16700 |
文字盤 | ブラック |
ケースサイズ | 40ミリ |
素材 | ステンレススチール |
防水 | 100m |
ムーブメント | キャリバー 3175 |
振動数 | 28,800 |
パワーリザーブ | 48時間 |
機能 | GMT機構 |
参考価格 |
最後に
買取相場が一時期に比べてかなり上がったGMTマスターⅠ
近代的な現行のモデルもいいですが、80年代・90年代のものだからこそ見られるヤケや褪色も魅力の一つですね
また、価値を損なわないためにも付属品は非常に重要ですので、お持ちでしたら大切に保管して下さい